<< 2020/2/9(sun)森川拓哉の音の世界 第2段 昼ライブイロオト / 夜ライブ「Tarkusタルカス」 | main | 2020/2/10(mon)「第20回サイレント映画の夜」18:30開場/19:00開演 料金:1800円(ワンドリンクつき)出演:山内菜々子(活動写真弁士)上屋安由美(ピアノ) “阪東妻三郎特集!”『雄呂血』(1925年二川文太郎監督)『小雀峠』(1923年沼田紅緑監督) >>
「中村哲の言葉をよむ」〜言の葉パーティー 〜 古川 柳子(おりゅう)
「言の葉パーティー」という小さな集いを、一季節に一回ぐらいの頻度で仲間たちと催しています。
毎回テーマを決めて、集まれる人が言葉を持ち寄り、声にして共有する・・・そんな形の一座建立。

昨日のテーマは「中村哲の言葉をよむ」でした。

米軍の空爆の下で飢餓・干ばつから人々を救うために水路を掘り続け、砂漠を緑の大地に変えながら、道半ばで昨年末銃弾に倒れた中村哲医師。
彼はその活動や生き様もさることながら、大変な名文家で、アフガンの土地を踏みしめるように書き綴った心動かす多くの言葉を残しています。

昨日の集いでは、まず改めて中村医師がアフガンの人々と共にした苦しみや喜びをドキュメンタリー影像でたどり、 長年活動によりそい、その苦楽を撮り続けてきた谷津カメラマンが、「生身の人間」としての哲先生の凄さと可愛らしさを語ってくれました。
参加者それぞれが自分で選んだ中村哲医師の言葉を音読し、追悼しました。静かにして強烈な中村医師の想いが、人の声で立ち上がり、文字とはまた別のかたちで体に浸みてきます。
その中に、2008年にスタッフの伊藤和也さんを亡くした時に、中村哲医師が弔辞として送った言葉がありました。
改めてその音読を聞いて皆が気づきました。
「ああ、これは哲さん自身の遺言だ・・・」と。
ペシャワール会のサイトから、以下にその言葉を引用させていただきます。

中村医師の言葉を「金の鉱脈のような文章」と表現された方がいましたが、私たちは今後何度も、この鉱脈から学び直さなくてはならないことがあるだろうと、改めて思います。

%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
ペシャワール会現地代表 中村哲弔辞

まず、ダラエヌール、シェイワ、シギの全ての人々が伊藤くんの捜索活動や遺体搬送に協力し、そして今日、こうして多くの方々が哀悼の意を表して下さる ことに、心からの感謝を申し上げます。
 伊藤くんの遺徳については、多くの方々が様々に生前のことを述べられたので、私がくどくどと申すことは無用かと存じます。ダラエヌールの小さな子供や ご婦人方に至るまで、悲しみを表し、私たちPMSへの同情と感謝を改めていただいたことは、悲しみの中にあっても、光栄という他、ありません。

 伊藤くんを殺したのはアフガン人ではありません。人間ではありません。今やアフガニスタンを蝕む暴力であります。政治的なものであれ、物取り強盗であれ、心ない暴力によって彼は殺されました。

 不幸にして世の中には、伊藤くんの死を政治目的に利用しようとする者もいます。また、アフガニスタンという国の文化を知らず、PMSと皆さんとの交誼を知らず、様々な噂や論評が横行いたします。その中には聞くに堪えない無理解、戦争肯定が少なからずあります。そうして生まれる武力干渉が、現在のアフ ガニスタンの混乱を招いてきました。このことを否定する者は、今日集まられた方々の中には居ないと思います。私たちはもう、戦争に疲れました。
 私たちPMSは、極力アフガンの文化を尊重し、アフガン人がアフガンのふるさとで、アフガンのやり方で生活ができるように、平和なやり方で、事業を進めてきました。繰り返しますが、「平和に」です。戦争と暴力主義は、無知と臆病から生まれ、解決にはなりません。

いったい、イスラム教徒であることが罪悪でしょうか。アフガン人が自らの掟に従って生きることが悪いことでしょうか。私はキリスト教徒であります。しかし、だからとて、ただの一度としてアフガン人から偏見を持たれたことはありません。良い事は誰にとっても良いことで、悪い事は誰にとっても悪い事であります。現に、このようにして全てのクズクナールの人々が集い、異教徒である伊藤くんの死を悼んでいるではありませんか。心ない者はどこにも居ます。今回の事件でアフガン人と日本人との間に亀裂があってはなりません。

 アフガン人も日本人も、親として、人としての悲しみに、国境はありません。命の尊さに国境はありません。「困ったときの友こそ、真の友だ」といいます。今アフガニスタンは史上最悪のときを経ようとしつつあります。500万人以上の人々が飢餓に直面し、無用な戦争で多くの罪のない人々が命を落としています。

 かつて60年前、日本もまた、戦争で、国土が廃墟となりました。200万の兵士と、100万人の市民が死に、アジアの近隣諸国にはそれ以上の惨禍をもたらしました。私も、生まれた直後の様子を良く覚えております。外国人はいつでも逃げることができます。
しかし、この廃墟と化した土地にしがみついて生きなければならぬアフガン人は、どこにも逃げ場所がありません。であればこそ、私たちPMSは、変わらずに事業を継続して、皆さんと苦楽を共に致したいと思います。それがまた、伊藤くんへの追悼であり、過去の戦争で死んだ人々の鎮魂であります。

皆さんの協力と要望がある限り、PMSの活動を止むことなく継続することを誓い、弔辞と致します。

2008年09月09日
アフガニスタン・シェイワにて
ペシャワール会現地代表 中村哲










おりゅうさん photo by 喫茶茶会記店主

コメント
コメントする