ベネズエラ音楽 Café negro 通信 2015/8/31(アルピスタ・川嶋菜穂子筆)

8月も晦日にかかる夜。
茶会記で朗読劇を観賞してきました。
「父と暮らせば」作・井上ひさし
しずかなヴァイオリンの調べ。
そっとドアが開いて、
二役を演じる吉田直子さんが登場。
ふんわりと、凛として、力を湛えながら
しなやかで、まっすぐな印象。
場の空気が ふっ と かわり、
すぐに惹き付けられました。
じつは、朗読劇を観賞するのは初めてです。
画と音と、生身の人間が織りなすその世界。
おどろくほど、想像力が広がるものですね。
迫力ある吉田さんの芸とともに
西本徳子さんも楽器を通して表現しています。
ヴァイオリンって、なくんですね。
泣く、鳴く、哭く。
自然と涙が流れました。
おふたりと、演出された河田園子さん、
劇団昴の有志のみなさまの気配。
はじめてお会いした方々の芸に、
これほど、こころが動きます。
お声掛けくださった 店主 福地さんに感謝。
霧の雨を浴びるような夏のおわりの夜。
よき刺激をうけるとともに
なにかこころ温まるものを感じながらの帰路でした。
